「LOVE LETTERS TO THE PRESIDENT」(INTACT CD 154)
SCHWEIZER HOLZ TRIO
メンバーを見て、これは絶対に聞かねば! と強く思い、注文してから来るまでわくわくどきどきしていた。実際に音を聴くと、こちらの予想とはまるでちがっていてびっくりしたが、いい意味での裏切りでした(まあ、私が勝手に予想していただけなので、裏切りとか言われても、ミュージシャンは迷惑だろうが)。ハンス・コッホはテナーを吹いておらず、ソプラノとバスクラのみ。ウルス・ライムグルーバーはテナーとソプラノ。そして、このひとはよく知らないけど、リーダー格と思われるオムリ・ジーゲル(と読むのか?)はアルトと歌(?)。ハンス・コッホがテナーを吹かずソプラノに徹しているのは、SXQで松本健一がソプラノしか吹かないことを思わせるが、全体の雰囲気も、うーん、ちょっと似てないこともないか。じつは、予想とはちがっていた、というのは、もう少しコンポジションがあるかなあ、と思っていたわけで、じつにすがすがしいまでにインプロヴィゼイションに徹した演奏であった。三人のサックス奏者が奔放に、また、繊細に、音をつむいでいくのを聴くのは楽しい。こういうのは、私にとってはめちゃめちゃ美味しいわけだが、ギター奏者が何人か集まって、両横を見てにやりと笑いながら演奏する、いわゆるギターミュージック的なもので、サックス吹きにしかわからんのだろうか、嫌、そんなこともないだろう……といろいろ思ったりする。一応、名前は最後に載っているのだが、プロデュースにも名を連ね、ライナーも書いているオムリ・ジーゲルというひとの項に入れておく。